【簡単に解説】嚥下しやすい食事姿勢のポジショニングで誤嚥を予防!

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小児にしても高齢者にしても嚥下は姿勢が大事とよく言われます。なぜかと言うと姿勢が変わると飲食物を摂取した時の口の中や喉の通り方が変わるからです。口や喉の通り方によっては上手に飲み込めたり誤嚥したり状況が変わる事もあります。食事介助で姿勢を選定する前にまず留意点として、当然の事ながら全ての問題点を解決する食事姿勢というのはありません。どの姿勢も一長一短。その人に合わせた姿勢の選定が大事になるという事です。ここでは姿勢と嚥下状態の違いを紹介したいと思います。

食事姿勢のポジショニングとは極力誤嚥をせず、かつ効率的に食事摂取を行うために、クッションなどを利用して最適な姿勢を調整することを言います。これにより、誤嚥を予防し、自力摂取される方でありば食べやすくする目的で姿勢を調整します。

椅子に座って食べる時の良い姿勢と悪い姿勢の例になります。

食事中の良い姿勢をまとめると…

  • テーブルの正面に座る。
  • テーブルの高さは、概ね胸とへその間の位置ぐらい。
  • テーブルとおなかの間は、概ねこぶし一つ分あける。
  • 少し前傾姿勢になり、あごを軽く引く。
  • 椅子に深く腰掛ける。
  • 足底を全て床に付ける。

頸部は軽度前屈(顎を引く)に選定するのが第一選択になるかと思います。前屈すると食べ物を口の中に取り込みやすいし、舌骨の移動距離が短くなる事から飲み込みやすくなりますただ、舌の動きに問題があると上手く喉の方に送りこめずダラダラ口から出てくるかも知れません。それは口の中が元々傾斜になっていて前屈すると坂道を登って咽頭に送り込まなにといけないからです。

逆に伸展位(顎を上げる)にすると口の中は下り坂になるから咽頭に送り込みやすくなります。気管も開大し息もしやすくなります。ただ頸部伸展すると、嚥下はしにくくなり気管も開大。気管の方に流入しやすくなるので誤嚥しやすい姿勢になります嚥下の頭の姿勢は頸部前屈が第一選択ですが、むせにくい人で送り込みや呼吸に問題がある人は頸部伸展位で食べる方がうまくいく場合もあるので注意は必要です。

ここでは座位とリクライニング位(30度~60度ぐらい)で比較しています。自力摂取を目指すなら上体を起こす方が良い事は理解しやすいと思います。食べ物を認識しやすいし体と食べ物との距離が近くなるので上肢(腕)での操作もしやすくなりますよね。食塊を舌で保持しやすいし食道通過も重力の影響で早いです。ただゴックンを失敗すると逆に重力の影響で気管の奥の方まで垂れ込んでしまう事になります。

比べてリクライニング位になると解剖学的構造上、気管が上、食道が下に位置するように変わります。口腔内は下り坂にもなるので咽頭(喉)に送り込みやすく、咽頭に送り込んだ後も食べ物は重力の影響で食道の方に流れやすくなります。ただ、食塊保持がしにくくなり口の中に含んだ一口の量が多くなると誤嚥が増える事もあります。食べ物は上体が倒れているので認識しにくくなり座位と比べ咳をする力も弱く、誤嚥した際に喀出しにくくなったりもします。この様に上体の角度を変えだけでも色々変わってきます。どの姿勢がその方に合っているのかは、ある程度try&errorで試すしか無いと思います。

福村直毅医師が提唱している完全側臥位法。側臥位(横向きで寝る)で食べるとむせにくくなると言われてもイメージできます?なかなかイメージ出来ないと思います。自分も最初は半信半疑でしたが実際にやってみると意外に有効なのは肌で感じています。では何故でしょう・・誤嚥の多くは梨状窩といわれる所に貯留した飲食物があふれて気管に流入します。側臥位で食べると食べ物を通過する場所が変わります。食べ物は梨状窩だけでなく咽頭側壁にも貯留する様になります。約20CC位は貯められる様になるので、座位でゴックンのタイミングが合わずむせる人や、梨状窩に残留して気管に流入する人は改善が期待できる姿勢です。他にも、誤嚥した場合、座位だと重力の影響で気管~肺の奥に飲食物が流入します。側臥位だと重力の影響をあまり受けないので気管や肺の奥には飲食物は流入しにくくなります。」+αとして、気管の奥まで垂れこまないので、繊毛運動で気管の入り口まで送り出しやすくなる事も考えられます。つまり誤嚥性肺炎予防も期待できる姿勢となります。

ただデメリットとして医療・福祉の業界にまだまだ知られていないので、説明に対する理解が得られにくかったり、導入する事にビックリされる事も多いです。他にも細かい事を言うと、口腔での送り込みが難しくなったり認知症の人は食べ物を認識しにくくなったりして食べにくくなる事もあります。その様な時は上手く摂取できるように試行錯誤が必要だと思います。食事評価で姿勢を選定する場合に、第一選択でチョイスする事はあまりありませんが、あの手、この手で対策してもムセる場合は導入すると改善する事は多々みられますよ。

嚥下リハビリにおいて、姿勢(ポジショニング)の選定は、飲食物の喉の通り方を劇的に変える要です。重要なのは、「すべてを解決する姿勢はない」と理解し、利用者様の嚥下障害に合わせて調整すること。

基本は前傾姿勢、顎を軽く引く(軽度前屈位)で、食塊の気管への流入を防ぎます。

完全側臥位法は、座位でむせる方や咽頭残留が多い方に対し、咽頭側壁に貯留スペースを作り、誤嚥物を重力から守る最終手段として特に有効です。

どの姿勢を選ぶにせよ、一口量や食形態と組み合わせたトライ&エラーこそが、誤嚥を予防し、安全で効率的な食事摂取を実現します。

【追伸】

この様な専門的なポジショニング技術の解説は、利用者様のご家族や介護施設に対し、貴事業所の「高度な専門性」を明確に伝えます。特に「完全側臥位法」の導入ノウハウは、他社との差別化に直結します。

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私は作業療法士現役20年の知見を活かし、あなたの事業所の「価値」が伝わるホームページ制作をお手伝いしています。ホームページ制作の事で気になる事があれば、お気軽にご相談下さい。

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この記事を書いた人

作業療法士として20年間、患者様、利用者様のリハビリ業務を行う。
日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士。
病院・クリニック・訪問看護ステーションなど色々な施設で勤務。乳児、幼児の医療的ケアから発達障害児、精神疾患、医療度の高い神経難病や癌末期などの終末期と数々の患者様、利用者様に携わる。
現在は訪問看護ステーションに所属。
2025年9月には医療と福祉の為ホームページ制作会社 リハ-Webを起業。訪問リハビリの現場に所属しながら得意のWEBクリエイターとWEBマーケティングを生かしホームページやブログの制作も行う。
Xのフォロワーも1300人。医療と福祉の難しい内容を分かりやすく伝えることをモットーに記事を発信しています。

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