【簡単に解説】水分摂取の環境設定と食事介助の留意点

水分の飲ませ方って結構悩んだりしませんか?訪問していると時々聞かれます。コップだとむせる・・吸い飲みだとむせる・・スプーンを持ってもらうと時間がかかる等。水分摂取の解決にトロミ剤の有無を検討するのは大事だと思います。ただそれ以外に嚥下状態に合わせて食器具を選定するという事も大事になってきます。

例えば歩行の場合だと歩き方に合わせて補助具を選定しますよね。片麻痺だと片側で支持できる様に4点杖、立位バランスが不安定だけど両手が使えるなら歩行器やシルバーカーなど使い分けていきます。

歩行補助具の選定の例え図。嚥下障害に対する食器具の選定の考え方と比較

水分摂取も同じ様な考え方だと思います。嚥下状態に合わせて食器具を選定します。だいたい下の図の5つを使用していく事になると思います。今回は、メリット、デメリットに分けて考えていきます。

嚥下障害を持つ方への水分摂取のための食器具5種類の分類図。コップ、吸い飲み、シリンジ、ストロー、スプーン。
目次

まず、食器具を使用するにあたり観察するポイントをまとめました。

頭頸部の角度(姿勢):嚥下障害の方は、頸部伸展になればなるほど気管の方に流入する可能性はアップします。前屈位で摂取できる物から選んでいく方が無難です。例外で伸展位の方が飲みやすい人もいる事も考慮。頸部伸展=ムセには必ずは結びつかないです。
一口量:多すぎると咽頭残留につながり誤嚥に繋がる可能性がありますよね。教科書的に言うと3~5g。誤嚥する可能性が高い人ほど介助に切替えて、少量の3グラム程度の摂取がベターだと思います。
スムーズさ:時間がかかると疲弊して摂取後半に、摂取量が低下したり誤嚥したりする人もいます。本人様のペースもあるので時短は難しいかも知れません。食器具の選定が本人様に合っておらず時間がかかっている事もあるので意識してみるようにしましょう

水分摂取用コップのメリットとデメリット。一口量や頸部伸展との関係。

メリット

・普段から慣れている飲み方ができる。
・口腔機能が問題無ければ1口少量~多量まで調整して飲める。

デメリット

・口腔機能に問題あれば1口多量になりやすい。
・口腔に麻痺があると上手く飲めずこぼれてしまう。
・残量が少なくなると頸部伸展位になってしまう。

吸い飲みのメリットとデメリット。吸う力が弱い時の自力摂取への適応。

メリット

・吸う力が無くても水分を口腔に流し込める。
・口があまり開かなくても口角から吸い口を入れる事ができる。
・リクライニングやベッド臥床している時の自力摂取する際にこぼれにくい。

デメリット

・介助する場合は適度な一口量を調整しにくい。
・自力摂取の時は頸部伸展を助長しやすい。



シリンジを使った水分介助のメリットとデメリット。一口量の調整と介助者間での共有。

メリット

・口があまり開かなくても口角からシリンジの先端を入れる事ができ奥舌にも注入できる。
・目盛りがついているので1口量を調整しやすい。また、複数の介助者にも1口量を具体的に共有しやすい。

デメリット

・無理やり摂取させている様に見えるので、介護する側や家族はしばしば抵抗を感じる。
・自力摂取にはむかない。
・医療職のアドバイスが無いと導入しにくい。
・どこにでもは置いていない。

ストローを使った水分摂取のメリットとデメリット。頸部伸展を防ぐ効果とトロミとの関係。

メリット

・普段から慣れている飲み方がせきる。
・1口量を調整しやすい。
・コップの中の残量が少なくなっても頸部伸展せず摂取できる。

デメリット

・吸う力の低下や口腔機能の低下があると飲めない。
・ストローは細いとトロミを付けると吸いにくくなる。

スプーンを使った水分介助のメリットとデメリット。一口量のコントロールととろみ付けしないと時のこぼれやすさ。

メリット

・1口多量摂取にはなりにくい。
・介助の場合、1口量や摂取ペースをコントロールしやすい。

デメリット

・トロミ付けしないとスプーン運搬時にこぼれやすい。
・1口量が少ないと時間がかかる

嚥下障害がある方の安全な水分摂取には、トロミ剤の検討に加え、食器具の選定が重要です。これは、歩行補助具を選ぶのと同様に、嚥下状態に合わせた環境設定です。

介助時の留意点は、誤嚥リスクを高める頸部伸展を避け、前屈位での摂取を基本とすること。また、誤嚥の可能性が高い方には、一口量3g程度の少量介助が推奨されます。

コップ、吸い飲み、シリンジ、ストロー、スプーンにはそれぞれメリット・デメリットがあるため、利用者様の口腔機能や嚥下能力、そして摂取の「スムーズさ」を観察し、最適な器具を選ぶことで、安全かつ効率的な水分補給を実現します。

【追伸】

水分摂取の環境設定や食具の工夫は、利用者様のQOLに直結する重要な専門知識です。この詳細なノウハウをWebサイトで公開することで、介護関係者やご家族からの信頼を獲得し、コンサルティングやサービス利用への導線が強化されます。

この記事のように、患者様(利用者様)の「本当に知りたい情報」を届けるホームページが、これからの時代は必要です。

私は作業療法士現役20年の知見を活かし、あなたの事業所の「価値」が伝わるホームページ制作をお手伝いしています。ホームページ制作の事で気になる事があれば、お気軽にご相談下さい。

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この記事を書いた人

作業療法士として20年間、患者様、利用者様のリハビリ業務を行う。
日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士。
病院・クリニック・訪問看護ステーションなど色々な施設で勤務。乳児、幼児の医療的ケアから発達障害児、精神疾患、医療度の高い神経難病や癌末期などの終末期と数々の患者様、利用者様に携わる。
現在は訪問看護ステーションに所属。
2025年9月には医療と福祉の為ホームページ制作会社 リハ-Webを起業。訪問リハビリの現場に所属しながら得意のWEBクリエイターとWEBマーケティングを生かしホームページやブログの制作も行う。
Xのフォロワーも1300人。医療と福祉の難しい内容を分かりやすく伝えることをモットーに記事を発信しています。

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