移乗介助とは?
専門用語で移乗という言葉があります。医療・介護に携わっている人以外は馴染みのない言葉だと思います。移乗介助というのは、ベッドから車いすへの移動、車いすから便座への移動という様に、身体を別の場所に移すことを移乗(トランスファー)といいます。 「移乗介助」は自身の能力だけでは座れない、立てない方達が、他の場所に適切に移乗ができるよう介護者が介助することを言います。
【介護の達人】移乗介助の動画
YouTube 介護の達人より
まずは移乗しやすい姿勢に整える

1.起き上がり直後。移乗しやすい様に介助して姿勢を整える。寝返り・起き上がり介助の方法はこちら

2.体を右に傾け、腰の左側に手を当てて、浮いたお尻を手前にすべらせる

3.身体を左に傾け、腰の右側に手を当て、お尻を手前にすべらせる。以降繰り返し行い手前に移動。

4.車いす側の足を半歩前に出して浅く座ると足が絡まらず移乗しやすい。車いすの設置場所は写真のとおり。
移乗介助の方法 【部分介助】

1.ご自身で出来そうなら、車いすに手を伸ばしてもらう。

2.介助者は足を開いて体を前に倒す様に誘導する

3.できる範囲で自分の足で踏ん張って立ってもらう

4. 左足(車いす側の足)を半歩前に出す

5.身体を回転させ車いすの方にお尻を向けてもらう

6.ゆっくりと車いすに座ってもらう
ベッドから車いすへの移乗介助の方法【全介助】

1.上記の様に、車いす側の足を半歩前にして座るように姿勢を整える。

2.介助者は足を開き、身体を前傾させる様に誘導する

3.介助者が体を回転させるように誘導する

4.車いすに座ってもらう
車いすからベッドへの移乗介助の方法【全介助】

1.足が絡まらない様にベッド側の足を半歩前に出す

2.介助者は足を開きながら上体を前かがみに誘導する

3.回転させながらベッドにすべらせる
作業療法士の視点でまとめる!移乗介助のコツ
移乗介助(トランスファー)とは、ベッドから車いすなど、身体を別の場所に安全に移すための支援です。介助の基本は、まず浅く座り、車いす側の足を半歩前に出すように姿勢を整えることです。
【介助のコツ】介助者は足を開いて身体を前傾させ、重心移動を促します。部分介助では、ご自身の残存能力(立つ、手を伸ばす)を最大限に活用してもらい、全介助では、介助者が身体を回転させながら目的地へ滑らせます。適切な介助は、介助者の負担を減らし、被介助者の安全と安心を守ります。
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