筋ジストロフィーとは?原因・症状と進行を遅らせるリハビリ|訪問看護でできる在宅ケアを徹底解説

目次
遺伝子の変異により筋肉が壊れやすく再生されにくい筋ジストロフィーの基礎知識。

身体の筋肉が壊れやすいのに対し、筋肉の再生の方がされにくい病気。難病になります。筋ジストロフィーには様々な種類がありますが、共通するのは「遺伝子の変異で起きる」「徐々に筋力が低下」する事です。身体が動きにくくなるだけでなく、多彩な症状がみられます。早期からリハビリなど予防の為にできる事も色々ありますよ!

徐々に筋力が低下する進行性難病である筋ジストロフィーの早期リハビリの重要性。
筋肉の形成に必要なタンパク質が遺伝子変異で作られなくなるメカニズムの解説。

蛋白質は筋肉の主な成分。筋肉の形成・維持に必要な蛋白質は遺伝子から作られます。筋ジストロフィーでは遺伝子の一部が変異。筋肉の中で蛋白質が作りにくくなります。筋肉が壊れやすく、再生が追いつかず筋肉が徐々に減っていき筋力も低下していきます。結果、日常生活にも様々な影響があらわれます。

筋肉が減り筋力が低下することで日常生活に様々な影響が現れるプロセス。

筋ジストロフィーは筋肉の障害による運動機能障害が主ですが、それ以外にも様々な機能障害・合併症も見られます。一部だけですが紹介します。

運動機能の症状

幼少期の筋ジストロフィーで見られる「転びやすい」「歩きにくい」などの初期症状。

歩きにくい、立ちにくい等の自覚症状とともに筋力も低下。幼少期の発症では、走れない、すぐ転ぶ.といった症状が病気の発見に繋がる事もありますよ。症状が進むと自分では立てず車いすも必要になる事もあります。腕を持ち上げたり指を動かす事も難しくなり、生活全般に介助が必要になります。

進行に伴い車いすや生活全般の介助が必要になる運動機能障害のサポート体制。

呼吸機能の症状

横隔膜などの呼吸筋が弱まり肺活量が低下する呼吸機能障害のメカニズム。

筋ジストロフィーなどの神経筋疾患では、横隔膜などの呼吸筋も弱くなります。肺を広げたり閉じたりする事が弱くなり、徐々に息苦しくなります。腹筋の筋力低下も加わると、咳の勢いが弱くなり痰が出せず肺炎などの合併症のリスクも高くなります。呼吸機能を維持する為にも早期から呼吸リハビリをする事が重要になります。

肺炎などの合併症を防ぐための早期呼吸リハビリテーションと排痰支援の役割。

心機能の症状

心筋の筋力低下により血液循環機能が低下する心機能障害のリスクと注意点。

心臓も心筋という筋肉なので、心筋の方にも影響します。心臓の筋力が弱ってくると、全身に血液を循環させる力も低下。場合によっては、心不全や不整脈などの症状がみられる事もあります。定期的な検査を行い、適切な運動、投薬、不整脈があればペースメーカーの利用などの対応が大事になりますよ。

心不全や不整脈の予防に向けた定期検査とペースメーカー等の適切な対応。

嚥下機能の症状

口や喉の筋力低下により食べ物を飲み込みにくくなる嚥下障害と誤嚥のリスク。

口や舌・喉の筋力低下が進行すると、顔や口・喉も動かしにくくなります。進行すると、食べ物や唾液を飲み込んだ時に食道ではなくて気管や肺の方に行きやすくなります。繰り返す事で誤嚥性肺炎になる可能性もあります。時には窒息の原因にもなり、療養上の重要な問題となります。予防の為に嚥下リハビリが重要になります。

誤嚥性肺炎や窒息を予防するための専門家による嚥下リハビリテーション。

身体の変形

筋力低下や車いす生活の長期化に伴う関節の固着や脊柱側わんの変形。

筋力が低下すると関節をしっかり動かせないので、関節が固くなったり変形が生じます。車椅子などに座っている時間が長くなると、脊柱の変形(側わん)も起こしやすくなります。側わんの進行は心臓や肺機能に大きな影響を及ぼすので、運動療法で予防するのも大事になります。

心肺機能に影響を及ぼす側わん変形を予防するための運動療法の重要性。
訪問リハビリスタッフが生活の場で筋力や動作の様子を観察し支援する様子。

筋ジストロフィー のお子さまは、全身の筋力低下が進行するので日常生活動作だけでなく、食べる事や呼吸自体も徐々に難しくなっていきます。訪問リハビリでは、リハビリスタッフが訪問する事で経時的に筋力や動作面の様子を観察しサポート。予防の為の呼吸リハビリや嚥下リハビリなども行い病状の進行予防に努めますよ!

進行予防を目的とした呼吸・嚥下リハビリを家庭で継続するための専門的サポート。

運動機能低下予防

筋ジストロフィーのお子さまは体を動かす為の筋力が少しずつ低下していきます。筋肉が動きにくくなると、関節が硬くなり、変形するようになります。そのため、症状の程度に応じて、筋力の維持や関節の変形などを防ぐための運動(筋肉に負担の無い範囲)やストレッチ、マッサージなどを行います。そうする事で健康や活動範囲、生活の質(QOL)を維持することを目的としています。

関節の変形や拘縮を防ぐためのストレッチやマッサージなどの運動機能維持リハビリ。

環境整備

寝室・浴室などの家屋内の移動や学校などの社会活動の際に不便とならない様に環境整備をする事も重要です。自分で歩いたり車いすを運転して移動できる時期では、安心・安全・安楽に活動できる環境作りも必要になります。訪問リハビリでは、利用者の筋力や関節可動域だけでなく、生活活動範囲や実際の生活環境も把握。本人、家族の要望に応じた環境整備を相談しながら提案する事もできます。

自分で移動できる力を維持し、安全に活動するための家屋内の移動環境整備。

家族相談

筋ジストロフィーのお子さまは筋力低下が進行するので、介助方法が変わったり生活環境も状況に応じて変えないといけない場合も少なくありません。訪問リハビリでは家族との関わる時間も多くなります。介助方法の伝達や福祉用具の提案、病状の進行を予防する為の運動方法の伝達も行えます。

進行状況に合わせた介助方法や福祉用具の提案を行う家族への相談支援。

全身状態の観察と合併症予防

筋ジストロフィーのお子さま方は全身の筋肉の筋力低下により、動作の問題だけでなく、肺炎や褥瘡をはじめ様々な合併症も起きやすくなります。訪問看護では、訪問した時に全身状態の観察を行い早期発見や症状改善に努めます。急変時には状況に応じて緊急で訪問。主治医と連携を取り適宜対応も行います。

疾患が進行するなかで、全身状態の観察と肺炎・褥瘡などの合併症を早期発見するための看護の訪問。

日常生活の介助

体が少しづつ動きにくくなる病気なので、徐々に日常生活に介助が必要になります。医療度が高くなってくると入浴などの介助も家族にとって心身ともに負担になる事も少なくありません。看護師が介助を行う事で、観察の目も入り、より安全にサポートする事ができます。 長期的な介護が必要になる場合もあるので、家族も含めた援助はとても大事になります。

家族の介護負担を軽減し、安全に入浴や移動をサポートする訪問看護の役割。

医療的ケアの管理

筋ジストロフィーのお子さまの中には、心臓や消化器系の病気など様々な合併症があり、医療的 ケア(痰の吸引・経管栄養などの医療行為)が必要になる事もあります。 症状に合わせたケアをアドバイスを看護師が訪問して行う事もできます。医療職が家に来てくれる事はとっても心強いみたいです。

痰の吸引や経管栄養など、心強い医療職による在宅での高度な医療的ケア管理。

筋ジストロフィーなどの神経筋疾患では呼吸筋の筋力低下により息を吸うことが難しくなり肺活量も低下。痰を出すのも困難になると気管切開をする可能性もあります。これをできるだけ防ぐために、早期から呼吸リハビリを実施して呼吸機能の低下予防に努めます。場合によっては徒手や排痰補助装置を利用して排痰(痰を出す)する事も有効です。

人工呼吸器や排痰補助装置を活用して息苦しさを改善し生活の質を保つ支援。

しかし、筋力低下が進行すると息苦しさが増し人工呼吸器が必要になる事もあります。装着して息苦しさが改善すると、車いすや意思伝達装置などを使用する余力が生まれ活動性が向上することもあります。呼吸器を装着してからも療養生活が充実するように支援し続ける事が支援者には求められます。

食べにくい、むせるなどの訴えがあり、嚥下リハビリを行う事は多い様です。間接訓練を行い嚥下機能の維持に働きかける事は重要です。また、食事のわずかな誤嚥から呼吸状態が悪化する事もあります。可能であれば、食事場面の評価を適宜行い、現状の食事形態や姿勢でむせる場合は、食事形態や姿勢の変更、食事介助方法の選定が必要になります。

誤嚥を防ぐために食事の姿勢や形態を評価し、適切な介助方法を選定する様子。
楽しみである食事を安全に続けるための、食事形態の調整、食事姿勢、食事介助の方法の検討を行い誤嚥性肺炎を予防する。

筋ジストロフィーは、遺伝子の変異により筋肉の形成・維持に必要なタンパク質が作られにくくなり、全身の筋肉が徐々に破壊・低下していく進行性の難病です。

症状は、歩行困難などの運動機能障害だけでなく、呼吸機能、心機能、嚥下機能にも及び、生活全般に大きな影響を及ぼします。

訪問看護・リハビリの連携の重要性

筋ジストロフィーの支援において、訪問サービスは以下の点で決定的な役割を果たします。

  1. 多職種連携: 訪問看護師による全身状態の観察医療的ケアの管理(呼吸器管理、褥瘡予防)、そして訪問リハビリ(OT・PT・ST)による機能訓練が、緊密に連携することで、急変予防と生活の質の向上の両立が可能になります。
  2. 家族支援: 進行性の疾患であるため、介助方法の変更精神的なサポートが欠かせません。看護師とセラピストが家族の負担を軽減し、ご家族が休息を取れるよう援助します。

訪問支援は筋ジストロフィーのお子さま・ご本人とそのご家族が、病状の進行に伴い、その時々の「できること」を最大限に活かして、充実した毎日を送れるような専門的な支援で伴走します。

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この記事を書いた人

作業療法士として20年間、患者様、利用者様のリハビリ業務を行う。
日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士。
病院・クリニック・訪問看護ステーションなど色々な施設で勤務。乳児、幼児の医療的ケアから発達障害児、精神疾患、医療度の高い神経難病や癌末期などの終末期と数々の患者様、利用者様に携わる。
現在は訪問看護ステーションに所属。
2025年9月には医療と福祉の為ホームページ制作会社 リハ-Webを起業。訪問リハビリの現場に所属しながら得意のWEBクリエイターとWEBマーケティングを生かしホームページやブログの制作も行う。
Xのフォロワーも1300人。医療と福祉の難しい内容を分かりやすく伝えることをモットーに記事を発信しています。

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